歯列矯正とは、歯には力を加えられると動くという性質があります。それを利用して矯正装置で歯に一定の力を加えて人工的に正しい位置まで動かし、悪い歯並びや悪いかみ合わせを治す治療のことです。


成人の歯列矯正には大きく分けて、審美的な面での改善と、歯並びやかみ合わせを改善することにより健康面を向上させるという目的があります。小児の歯列矯正は、本人の希望よりも周囲の希望が優先されることが多く、せっかく成長期の良い時期に歯列矯正治療を始めたとしても、治療の進み方が悪い場合がありますが、成人の歯列矯正は、自分の意志で美しい口元を目標に歯列矯正治療に望むことができます。


成人の歯列矯正治療は、歯みがきや装置の手入れなどにも気を配ることができ、口腔内が良い状態で効率的に治療が進むことが多いです。また、歯並びやかみ合わせが悪いと、むし歯歯周病にかかりやすくなったり、口臭の原因にもなります。唾液には本来、口の中をキレイにする自浄作用がありますが、かみ合わせが悪くてよく食べ物をかむことができないと、唾液の分泌量が少なくなり、口の中を十分に殺菌できなくなってしまいます。


その他にも、かみ合わせが悪いと発音に障害が起こったり、不定愁訴の原因にもなります。つまり、かみ合わせが悪いと、あごの関節に無理な力がかかり体の他の部分にも異常が現われたり、ひどい場合には、成長期の子どもでは顔が歪んでしまう原因になることもあります。


このように成人の歯列矯正には、素敵な笑顔や美しい口元と言った審美的な改善と、歯並びやかみ合わせを改善することによって、唾液の分泌が促進され体全体の健康に繋がることも多いです。


成人の歯列矯正は、小児の歯列矯正に比べて治療は長期にわたる場合がありますが、美しい口元と健康を取りもどすことで自分に自信がつき、生活に潤いが生まれます。

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